アマテラスが弟のツクヨミに言いました。 「葦原中国(あしはらのなかつくに・地上世界)にウケモチがおられるそうです。行って見てきてください。」 命を受けたツクヨミは山城の桂の里(今の京都市西京区桂のあたり)の桂の木に降りました。 ウケモチはイザナキとイザナミから生まれた食物の神です。 ウケモチが顔を陸に向けると口から米が出てきました。 ウケモチが顔を海に向けると口からたくさんの魚が出てきました。 ウケモチが顔を山に向けると口からたくさんの獣が出てきました。 ウケモチはそれらを机にのせてツクヨミをもてなしてくれました。 「けがらわしい、口から吐き出した物を勧めるのか!」 ツクヨミはウケモチを斬り殺してしまいました。 ツクヨミが戻って報告すると、アマテラスは怒りました。 「お前は悪い神だ。お前の顔はもう見たくない!」 日の神と月の神は昼と夜に別れて住むことになりました。 ツクヨミとウケモチ〜農耕起源神話① アマテラスの田畑〜農耕起源神話② 目次