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山幸彦と豊玉姫の出会い

桂の木と吐き出された玉

海幸彦の釣り針を失くし途方に暮れていた山幸彦は、浜辺でシホツチノ神(潮流を司る神)に出会います。
シオツチノ神は山幸彦のために小さな籠舟を作り、
「海神宮(わたつみのみや)の門の傍らの泉のほとりに桂の木があります。木の上で待っていれば、海神の娘が良いように取り計らってくれますよ。」
と海へ送り出してくれました。

海神宮に辿り着いた山幸彦がシホツチに言われた通り、桂の木の上に座って待っていると、宮の中から侍女が出てきて水を汲もうとしました。
山幸彦が水を欲しがると、侍女は山幸彦のために美しい器に水を汲んでくれました。

しかし水の器を受け取った山幸彦は不思議な行動をします。
侍女からもらった水を飲まず、自らの首飾りの緒を解いて玉を口に含み、それを器の中に吐き出したのです。
吐き出された玉は器の底にピタリと引っ付いて離れなくなりました。

古代から(地域によっては現在でも)唾には呪力があると信じられていました。
そして玉には魂(たま)が宿ると信じられていました。
神霊が降りる斎つ桂(清浄な桂の木)の上で、玉(自分の分身)を器の水(海世界)に吐き落とし、尚且つそれを水底にピタリと付けて離れないようにするのは、
「天孫である私が海世界に降りて来ました。海世界のあなたに心を寄せています。」
というメッセージになるのかなと思います。
これを屋敷の中のヒメに届けて、そして察してくださいませ…と。

そして、トヨタマヒメが宮の外に出てきます。
異世界の二人は出会った瞬間に恋に落ちます。
真逆のもの同士が混ざろうとする時、何か新しいものが生まれると昔の人は信じていました。







トヨタマヒメには山幸彦がとても美しい高貴な人だということはわかりますが、何者なのかは分かりません。
父神に知らせに行くと、父には山幸彦の正体がわかります。
「その人はアマツヒコの御子のソラツヒコだよ。」
アマツヒコ(天の男)は天から三種の神器と稲穂を持って降りた山幸彦の父ニニギのことです。
山幸彦をソラツヒコ(空の男)と呼ぶのは、高天原で生まれたニニギと地上で生まれた山幸彦を区別しての事でしょうか?

山幸彦は海神宮の中に招き入れられ、手厚くもてなされます。
トヨタマヒメと結婚し、兄の釣り針のことは忘れて、そのまま三年間、楽しく暮らすことになります。

山幸彦と豊玉姫の出会い



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